「サンパウロ、世界で一番有名な娼婦」

昨晩観た、「サンパウロ、世界で一番有名な娼婦」が理屈抜きでなかなか良かったんですよ。twitterの映画博士、透明ランナーさんにもオススメできるレベルで。いつも、ハリウッドを観て、ちくちくと分析している私ですが、分析させてくれない映画はいい映画だと思っています。

私が分析できないってのは、たぶん、女性の生き方に関するお話しって、まだ世界のビッグイシューなんだろうと思うわけです。(と分析。笑)私にとっても答えのないことだけど、それとは切り離して考えても、やっぱりそうなんだと思う。セックスに関することと、女性の生き方、これはタブーを含んでいると思うし、タブーはイシューの一つなんですよね。で、タブーを冒していくのは、芸術の役割の一つだと思います。男性プロデューサーが作った女性のコンテンツは、ニーズにこたえる形でセックス(暗にでも)が提供されることが多く、辟易とするのだけど、女性の生き方を考えた上でのセックスという表現って、素晴らしいと思うんです。それが、この映画にはあったなぁと。

そして、特筆すべきは音楽。かなーりよかったです。ラグジュアリを通過したあとの(以前の?)音楽的な洗練がありました。爪弾くようなギターや、エモくてエロいロック、ミクスチャーのレゲエ、全曲に「おお!」と思った。

日本もラグジュアリを通過した後(また、以前)の、ラフでエモエロな音楽ができるはずなんだけどなーと思ったり、バブルのラグジュアリって、一億総ラグジュアリな勘違いだったから、まぁ、無理なのかなーと思ったり。でも、少なくとも、私は、聞分けられる耳は持ってるってことは、少なからず、希望はあるんじゃないかなと。

少ない休息の時間で、こういった素敵映画に当たると、運がよかったなー!と思います。また映画を観ようっていう気になる。昨日はとてもいい日でした。

サンパウロ、世界で最も有名な娼婦 [DVD]

サンパウロ、世界で最も有名な娼婦 [DVD]

両親と学校を捨て、コールガールになり、セックスブログで一躍セレブへ、ドラッグに溺れ・・・という、一見よくある破滅ストーリー。ラストは、タフで、ヘルタースケルターを連想させます。