弟が面白かったと持ってきてくれました。

「止まらなくなるので、時間のあるときに」

とのことでしたが、ほんと、止まらなかった。めちゃくちゃ面白い。

特に興に乗ってくるのは白鳥さんが出てくる下巻からです。この人、メタなことをロジカルに言葉としていいテンポで繰り出します。そして無礼講を地で行く様、とっても痛快。あと、結果に向かうことであれば自分がどう思われようが関係ないのですね。結果至上主義。素敵です。

わかりやすくまとめてみると白鳥さんの魅力は

・思っていても普通は(和を尊び)口にしないことを(結果の為に)口にするということ
・思っていても言葉に出来ないことを(メタ視点)思考から言葉にするということ
・権力に対して傍若無人であること
・(結果のためであれば)自分が自分のとった行動によってどう思われようと関係ないこと

リアルでこれが出来る人ってのを一人だけ存じ上げておりますが、この方はイレギュラーケースで、組織に依存しない儲けや食い扶持が(多いに)あり、尚且つ切れ者みたいなね。投資家で文筆家、みたいな。そうじゃないと出来ないよね。それでもやっぱり彼だって世間の中で生きているわけだから、あちこちに気を遣ったりもしているわけで。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

政治力が仇となった看護師のおばさんが出てきていい味出しています。政治力というのは、身を投げ打ってその人の役に立てるときが来たなら、そうする覚悟があるという信頼の元に結ばれるものだと常々思っています。それ以外の繋がりは徒党(シニカルな意味での)と言う。よく勘違いされている方がいらっしゃいますね。ここ(人生の)テストに出るぞ!

映画化もされているようです。文中、ちょっと説明書きが多いような気がしましたが(※例えば政治力が仇となったということをシーンで見せるところが少なく「政治力が仇となった人」と括って説明してしまうような)映画となると全てシーンで見せないことには収まりがつかないだろうし、どうまとまっているのかには興味があります。著者は、こういった説明書きのような部分を全てシーンとして見えるように推敲したら、長すぎて読み手が付いて来ない、また本が分厚くなってちょっと嫌煙されることも考慮されたのかもしれません。

チーム・バチスタの栄光 [DVD]

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おお amazon のレビューはかなり手厳しいですね!内容が濃すぎて詰め込みきれなかったのかな。機会があったら観る、くらいに思っておきます!

あと、医療の現場は大変ですね・・・。ついったーというサービスで、クレバーなお医者様が一人、医療現場のあれこれを書いていらっしゃって、いつも興味深く拝見しています。お医者様はみんな忙しい売れっ子芸能人並なんじゃないかと思うくらいです。そういった医療現場の問題点もかなり詰め込まれています。著者は広くそれを伝える使命感のようなものを持っていらっしゃって、素人の私にも切々と伝わってくるものがありました。

みんな!医者は忙しいんだよ!この際こういうの読んだらいいんじゃないかな!

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9割の病気は自分で治せる (中経の文庫)

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