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- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2000/01
- メディア: コミック
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amazonで購入。もう刷られていないらしく、中古を買い求めました。インプット期間なので、いろんな本をオーダーして、この本だけ先に到着したので、お夕飯の後にさくっと読みました。
岡崎さんの俗っぽさはすごく好き。男子は、大方の女の子の共通の悩み、願望について、岡崎京子さんを一通り読めばちょっと理解できると思います。これが全てじゃないけどね。
私は昔、洋書の訳書をたくさん読みました。洋書は、特にアメリカの小説は、精神的な病気について当たり前のように語られるし、ディテールも細かく語られます。カウンセラーに訪れる人も多いし、それは風邪をひいたときと同じくらいの気軽さ。そういう小説を読みつけていると、リバース・エッジの中で語られる、いびつな精神についての描写は物足りない感はあるんです。起こったこと全てが淡々と語られています。このストーリーは紛れもなくグレーだよね。グレートーン。なにも分析せず、掘り下げず、全てが流れていく。だけど、日常なんてそんなもんだよね。
いやー、しかしこうして作曲することなくインプットしていると、なにか罪悪感が芽生えてくるんです。ワーカーホリックなんだろうか。
「淡々」と「ワーカーホリック」繋がりでこの人を思い出した。
情熱の大半には、自己からの逃避がひそんでいる。何かを情熱的に追求する者は、すべて逃亡者に似た特徴をもっている。
情熱の根源には、たいてい、汚れた、不具の、完全でない、確かならざる自己が存在する。だから、情熱的な態度というものは、外からの刺激に対する反応であるよりも、むしろ内面的不満の発散なのである。
エリック・ホッファー「魂の錬金術」より
誰でも完全ではないし、それはいいとして。私は情熱的に作曲を追求してる。んじゃ、私が作曲しているってことは何かから逃げているってことかな。確かにそういう節もあるかもしれない。何かから逃げている、その何かを世界中で数人が知っている。その人たちを愛しく思っているということが私を生かしているのかなぁと思うこともある。だからそれでもいいんでないのって思うんだよね。生きるために誰が何を理由にしていたとしても、死ぬより、死なれるよりはいいかって思う。
このエリック・ホッファーという人は情熱や感情について面白いこといってる人です。揺さぶられるような感情が怖かったのかもしれないと思う。それを消化するためにいろいろ理屈をつけて冷静を保つような人なのかなと思ったり。私の中にもそういうところがあるので、少しシンパシーを感じています。冷静じゃないと作れないものもあるという意味で。
話逸れたけど、岡崎京子さんは大好きです。事故に遭われたあと、療養中とのことだけどまた描いて欲しいなぁ。
書き忘れて推敲しながら追記するんだけどこの漫画をamazonのマーケットプレイスで購入しました。で、たまご堂って本屋さんの納品書が付いててさ。担当は
「たまご堂☆渡辺」
さんです。真ん中に☆が付いてるんだ。うん。
で、
「数ある出品の中から当店の商品をお選びいただき、感激です。」
「誠にありがとうございました」じゃなくて、「感激です」なんだよ。うん。
クスリとかしないぞーって思って我慢してたんだけど、ちょっとクスリとしてしまって、今日はたまご堂☆渡辺さんにちょっと負けた気分です。