ジャスラックは事業独占と判断」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131101/k10015746691000.html

この記事が出てから、他業界の方がこれ、どうなん?的なtweetをされていたので、ちょこっとお答えいたしました。バラバラとお答えしたので、まとめてみようず。

記事の内容はこんな感じ。

音楽の著作権を管理するジャスラック日本音楽著作権協会が、テレビやラジオなどの放送局から料金を一括して受け取るなどの契約を結んでいることについて、東京高等裁判所は「ほかの業者を排除し、事業を独占している」とする判決を言い渡しました。

ジャスラックは、作詞家や作曲家の著作権を預かり、利用者から料金を受け取って分配する事業を行っています。
テレビやラジオなどの場合は使用回数が多いため、一定の金額を支払えば回数に関係なく使用できるなどとする契約を結んでいますが、これについてほかの事業者が参入を妨げていると訴えていました。

判決で東京高等裁判所の飯村敏明裁判長は、「この契約は新規参入を困難にして、ほかの業者を排除するもので事業を独占している」として、公正取引委員会が審判で示した「独占禁止法に違反しない」という決定を取り消しました。

判決が確定すれば、公正取引委員会は改めて判断を行うことになり、ジャスラックは放送局との契約内容の見直しを迫られる可能性もあります。

判決についてジャスラック日本音楽著作権協会は「判決は協会の主張をいずれも否定したもので、とうてい承服することができないため、判決を精査した上で、しかるべき対応をとる必要があると考えています」というコメントを出しました。


私も著作権関連は4冊程しか目を通しておりませんが、わかる範囲でざっと説明してみますね。

JASRACは、長年、著作権に関わる業務を行ってきて 

“「結果的に」他業者が参入しにくい形になっている”

のではないかなぁと思います。テレビやラジオの製作現場はとかく時間に追われがちで、「品質が高く、キャッチーで、シーンにフィットする音源を、その都度ペーパーを交わすことなく、便利に大量に利用したい」わけです。そのニーズに答えて来たのがJASRACです。これって、一部の作家やアーティストにとっては、「一番回収能力が高く、著作権に尽力して下さっている組織だよね」とも言えるわけです。

ほんで、ここで言う「一部」とは、所謂メジャーレーベルに属している作家、アーティスト、また、メジャーレーベルの下請け的な制作会社などを指します。
ここで、なぜ、他業者が名乗りを上げているのかといいますと、インターネットの普及で、メジャーを介さない、インディーズの品質の良い音楽が流通可能になっているからですね。こういった音源は、タイアップ参入やちょっとした番組での使用で、ブレイクの可能性があり、その参入壁を(前述の通り、結果として)作っているのも該当組織だ、とも言えます。音楽制作の現場では、DTMの普及等で、「一部」以外の勢力が年々強くなってきているのです。で、国外ではネットでの流通でインディーズが伸びてきていたり、ブレイクアーティストが出てきているのに、日本は伸び悩んでいるってことも、起業家をヤキモキさせている一因なのかなって思います。

しかし、ですね。ニーズがあってこその商売なわけですからして、テレビ、ラジオの製作サイドからしますと、「じゃ、他業者さんは、品質が高く、キャッチーで、シーンにフィットする音源をその都度ペーパーを交わすことなく、便利に大量に利用できるように持ってきてくれるわけ?」となったり。

作り手さんも配信するときに悩んじゃいますかね。もし、あなたが音楽コンテンツの制作者で、作った楽曲をJASRACに登録する気がさらさらないなら、答えは一つです。、「一番品質が高く、キャッチーで、シーンにフィットする音源をその都度ペーパーを交わすことなく、便利に大量に利用できる」状態で、テレビ、ラジオに持っていける可能性が高い配信業者へゴーです。例えば、tunecoreさんですね。


最後に、今回、訴えを起こした業者には、その他にも、なにか物申したい事があるのかもしれません。容易に想像はできますが、憶測の範囲ですので、私の口からは控えておきますね☆

それではみなさん、引き続き素敵な制作ライフをお送りくださいませ〜♪