少し時間が取れたので、作曲からミックスまでの作業を効率化するため、オールジャンル対応のソングファイルのフォーマットを整理してみました。完全に実用的、効率的なフォーマットにしようと試みました。 SONAR 8 を使用していて、様々なジャンルを短時間で作る必要のある方は参考にしてみてください。そして、もっと効率的な方法をご存知の方は是非コメント欄で教えてくださいー!

ソングファイルフォーマットは以下の準備をします。

メロディーとコードの打ち込みの為の準備

アレンジの打ち込みの為の準備(デモ段階なので、ドラムパターン+ウワモノ数種類)

歌の録音と編集の為の準備

音の差し替えの為の準備

ミックスの為の準備

時間が無い時にはラフミックスもできるし、時間があれば、かなりいいところまで追い込めるセッティングです。現時点では元々バンドルされているプラグイン以外は使用していないので、SONAR 8 Producer を使用されている方ならどなたでも応用できます。

メロディーとコードの打ち込みの為の準備

プラグインシンセを挿入します。表示→シンセラック 

リアルタイム入力での発音遅れを最小限に抑えるため、Cakewalk TTS-1 を挿入。これ一つで16トラック対応です。アレンジしている間はミックスへの出力がセパレートできないので、ステレオバスの挿入で、一つ、軽めのコンプを挿したバスを「totaloke」かなんか名付けて作ってアウトプットをそのミックスバスへ全て送るようにしておきます。


アレンジの打ち込み為の準備(ドラムパターン+ウワモノ数種類)

ドラムトラックはなるべく作るジャンルの音が欲しいことからシンセラックに D-Pro を挿入。後の音の差し替えの為に D-Pro をもう一個挿入。

これでシンセを三つ挿しました。Cakewalk TTS-1は、1.ボーカルとコーラス2.ピアノ3.ベース4.ギター5.エレピやオルガン6~ストリングスやブラス、ピコピコ音などてけとーにセッティングしてくれ。私はピアノ弾きなので、コードとメロを作るときは大体ピアノ音色です。なのでピアノを先に持ってきます。


ここまで準備しておけば、メロも思いついたらすぐ打ち込めますしアレンジはスムーズスタートです。さあ思う存分アレンジしよう。


歌の録音と編集の為の準備

アレンジが済んだら、一旦ここまでのデモを wav で吐き出して、別ファイルを立ち上げます。歌録音用の二つ目のファイルです。あと、シンセメロとコーラスの MIDI は別にファイルからファイルへドラッグドロップします。これは、お疲れモードで歌っているとピッチが下がり気味になってしまうので、時々聴きながら歌えるようにということと、コーラスをたくさん入れるときにはそのライン確認のためです。歌うときはレイテンシーを最小限に抑えたいので、別ファイルにしました。が。結局それでも負荷が高いようで、歌っている声が遅れてモニターされてしまう。ボーカルは特に、音が少しでも遅れると歌えなくなってしまいます。ので、今はモニターなしで片耳にヘッドフォンを当てて歌っています。ボーカルに軽いリバーブと、コンプをかけた状態でモニターしながら歌うととても気持ちいいし、上手に歌えるんですけどねえ・・・。この辺はどうにかやりようがありそうですし、模索中です。いい方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてプリーズ。あと、どうやらレイテンシーの操作ができるオーディオインターフェイスとそうじゃないオーディオインターフェイスがあるようです。まぁ、とにかく、シンプルな画面で編集したいということもあり、私は曲によってはコーラスをがんがん録音する人なので、わかりやすいように別ファイルです。

プラグインエフェクトはこんな感じです。


・EQを挿します。スタンダードな女性ボーカル用にセッティングしておきます。
・EQを挿します。こっちはコーラス用のEQ
・軽めのコンプをかける用です。
・マルチバンドコンプを挿します。ワタクシ用に秘密セッティング済み!
・リバーブを挿します。ジャンルに合うセッティングしてSAVE しておこう。
後でオケの音差し替えの際、同じ音場感を出すためにその設定を読み込みます。
・もいっちょリバーブ。リバーブの種類によっては音に深みが出るので良い効果が得られそうなときには使います。


メインのステレオバスの他に、センドバスでディレイとリバーブを挿します。


ディレイの設定をmixではなく、postにしておきます。その後で、リバーブをかけます。そうすると、ディレイの返りだけにリバーブがかかって、音場がとても豊かに、かつ上手に聴こえます。ボーカルを録ったら、エフェクトがかかった状態で、ボーカルトラックのみとコーラストラックを別々にwavで吐き出ます。コーラスはエフェクトのパンの調整もありますので、パンを振った状態で吐き出します。そしてもとのオケトラックに追加します。これで、声を聞きながら、オケの音を作れますのでバランスが取りやすくなります(まだバランス云々のスキルはないにしろ!今後のためです!)。オーディオトラックのみの追加はたいしてCPUを消費しませんので、心配御無用です!

ドラムトラックのセッティングはワントラックでもそのまま聴けるマルチバンドコンプのトータルセッティングと、それぞれの音を追い込みたいときの為に、バスドラ、スネア、ハイハット、シンバル、などがセパレートされているものを準備しておきます。

音の差し替え為の準備

Cakewalk TTS-1の音を D-Pro に差し替えていきます。

ミックスのステレオバスは各音にプラグインを「CPUのことを考えないで」ゴージャスに挿しておきます。例えばデモ制作のときに時間がない中でバラードを一本作らなきゃいけない!→ピアノの音一本でも最大限に美しく聴こえて、通用するように。です。

ピアノのプラグインエフェクト


・ EQを挿します。ベース有りの場合のスタンダードな設定にしておきます。
・ リバーブを挿します。
・ リバーブをもういっちょ。違うリバーブを二つ挿して、音場を豊かにします。
・ マルチバンドコンプを挿します。マスタリングのライトの設定を少し変えました。
真空管のシュミレーターを挿します。曲によっては使用したり。
・ 軽めのコンプを挿します。
・ コンプの種類によって特性が違うので、先のマルチバンドと併せてバランスを身ながら調整していきます。
・ 最後にリミッターを挿します。音色が変わるので、良い変化を得られそうなときには使用。


ギターのプラグインエフェクト(ギターとブラス兼用です)

・ EQを挿します。ベース有りの場合のスタンダードな設定にしておきます。
・ギターとブラスの兼用ステレオバスにしましたので、EQをブラス用にもう一種類挿します。
・ディレイを挿します。
・ リバーブを挿します。
・ リバーブをもういっちょ。違うリバーブを二つ挿して、音場を豊かにします。
ギターやブラスはフルオケの場合、特にアンビエント傾向ですね。先の納品でちょっと失敗しました。
・ Guitar Rig 様を挿します。
真空管シュミを挿します。
・軽めにかける用のコンプを挿します。
・リミッターを挿します。

このような感じで、おおまかにカテゴライズした音色のステレオバスを準備しておきます。

こんなにプラグインエフェクト挿して CPU 大丈夫なの???と思われるでしょうが、デフォルトでは、挿したときにエフェクトが効くようになっています。これがCPUを食いますので、クリックして緑ランプを消しておき、トラックにバウンスするときだけ、ワントラックずつにエフェクトを緑点灯させていくという感じです。なので、挿したいだけ挿しましょう!ノープロブレムです(パソコンのスペックにもよりますが)また、全てのエフェクトを使用するわけではなく、シュチュエーションによって変えて行きます。もちろん、これだけ全てかけちゃう!とはりきっても、負荷が高すぎてノイズがのったらアウトなので、そのときは泣く泣くなにかの緑ボタンを解除しましょう。そのときはアレだ。夕陽に向かって叫んでもいいよ。許す。

で、ウワモノのステレオバス各種ですが、上記のメインのプラグインを挿したバスの他、ボーカルと同じく、センドバスを立ち上げます。そこにディレイとリバーブを挿しておき、全てのウワモノはここを通過させます。ボーカルと同じく、ディレイはポストで、リバーブは一つだけその曲用の音場を作り、各楽器によって設定を微調整します。


ここまでのセッティングされたファイルで、Cakewalk TTS-1 でアレンジした音色を一音色ずつ D-Pro に差し替えていきます。このときに、その音色のステレオバスとセンドバスのみ、緑ランプを点灯させ、トラックにバウンスをします。オーディオトラックが一本増えます。バウンスが終わったら、アレンジトラックはミュートにして、プラグインエフェクトもオフにしておきます。そして、次の音色、というようにやっていくと、一つのファイルの中で効率的にオケが完成していきます。ただ、後戻りには限界がありますので、バウンス前のエフェクトの設定はイメージを固めた上で、重要度の高い音色から慎重に行ってください。私は今の所バスドラとベースの音から作っていきます。なんせ時間がないので、コンペの時には作りこむとまでいかないのが現状ですが、これもいろいろやってるうちに段々上手になっていくと思います!


と、ここまでですが、結構長かったですね。これで、ソングファイルのフォーマットは完成です。このフォーマットで先日納品したものとかやり直したいんですけど、新しくがんがん仕上げていかないと全く数がこなせないので、あれはあれ、ということで振り返らずにやってみようと思います。よーしこれでアレンジとミックスをがしがし仕上げるぞー!仕上げられるといいなー!仕上げられるかなー。仕上げたいです・・・。