ブランディング関連は、随分前にデービッド・A. アーカー 氏の本を読みました。もちろんもう忘れた。アーカー氏の本を読んだときは、本当に切羽詰っていたことを覚えています。ぼーっとピアノ教師をしていただけの人間にいろんな方が声をかけてくださったので、非常にテンパっていた!しかし、現場の経験もなく一朝一夕にこういったことが身につくわけでもなく、ただ(そういった視点から音楽を考えるということをしないと、小室氏のようにはなれないのだな)ということだけが身に染みた時期でした。


そして、ここにきて、ちょっと実践シュミレーションの必要を感じたので、改めてアーカー氏の本を探してみたら見つからなかった・・・。買ったんじゃなかったけ、借りたんだっけ、人の家で読んだんだっけ、と思いながら新書を二冊吟味、購入し、昨晩一冊読了しました。


前半はコンテクスト・ブランディングという方法でのブランディングについての解説。ここらあたりは、楽曲を制作するときにいつも行っている作業を細分化、明文化して名前をそれぞれにつけた感じとでも言いましょうか。私は勘から入る人で、その勘が滅多に外れない。嗅覚もいいので、一人のことだと大概はイメージした場所までの仕事はこなせる。だけど、例えばプロジェクトで、人がたくさん関わってくるとそうはいきませんね。みんなが勘がいいわけではない。行動していってトライ & エラーを繰り返しながら仕事を終える人もいるし、誰かにその勘はどうやって導き出されたのかを説明する必要も出てくる。そういうときには細分化、明文化されたものをベースに固有名詞を共有することで、イメージした着地点にまで導くことが出来ます。


あと、それぞれの概念に名前がついて、自分の中でも明文化されていると


「なにか足りない!うーん」


となることは少ない。特に音楽は


「足りない何かって何よ!」


に陥りやすいのですが、順序だてて考えていくと、自ずと見えてくるものはあります。


ただ、明文化して、その作業をこなしていると、時に見えなくなるものがある。ここでは暗黙知という言葉の中にそれが包括されているのかもしれませんが、クリエイターであれば、最初のここに持ってきたい!というインスピレーションに意味を後付けしていくのも有りだよなぁと思いました。


後半にはモデルケースがあり、実際に電通で取り組んだブランディングの幾つかが紹介されています。広告費が膨大で激戦な飲料水のエピソードが二つ。サントリーのウーロン茶のエピソードは、勉強になるというか感動した!やはり、長い年月をかけて培われたものに付随するブランディングというのは、楽しいものなのだなぁと思います。


私は、楽曲を仕上げると、いつもコンセプトシートというものをワードでちまちま制作して、歌詞カードと一緒に綴るのですが、今日は、この後この本を参考にフォーマットを見直してみようと思います。


もう一つ、デコに肉とか中とか描いてないで、自分のブランディングも見直してみようと思います。><


一橋大学大学院助教授の阿久津聡氏と電通のシニア・プランナーの石田茂氏の共著でした。



これは、切れる男ことふろむだ先生がいつもオススメしているドラッカー氏の本。ふろむだ氏の運営する SNS で、経営者である彼が「この人の下で働いてみたいと思う人」にドラッカー氏を挙げられていました。ちなみに私は全盛期の丸山氏を挙げてみました。


なぜ作曲家がこんな本を読んだのかってことなんですが、ふろむだ先生のこのエントリー「経営がわかっている労働者と、わかってない労働者の格差が拡大していく理由」を読んで、ごもっとも!と思ったのです。読んでみて、私には自営業者、経営者の友人知人が少なくなく、私自身も個人事業主ですので、その視点からというのは結構見えているものがあるのかもしれないなぁと思いました。


しかし、ドラッカー氏、さすが書くお仕事に就かれていただけあって、とても読みやすい。さくさく読める。同じ経験をした同じ実力を持つ人でも、書く力があるとないとでは全く違うものだろうなぁと思います。


さて、難しい薀蓄は、経済を専門に学んだ方々にお任せして、印象に残ったことを二つ。


「読んでわかる人と聞いてわかる人がいる」

いるいるいるいる。私は両方可能な人間です。分厚い資料に目を通すこともおkですし、人のお話を聞いて理解もできます。社会人になってから、どちらかが出来ない人がたくさんいるということを知りました。


もう一点、ドラッカー氏が自分の運命を決めた印象的な出来事をこの中で綴られています。私も、改めて、感動や影響を受けたものを基点として行動しようと固く心に誓いました。これを起点にしていない行動は感動も与えないし、影響も与えない。結果、人生の濃度が低くなると思うのです。


というわけで読んでいる途中に、私に影響を与えた人やモノをずっと思い出していました。印象深いことばかりですし、ここでは書きつくせませんが、誰にでもそういうことはたくさんあるはずです。その人の中で、それがどれくらいの配分かはわかりません。だけど、みんながなにかしら影響し、影響されて生きているんだなぁと思うと、自然にリスペクトの念が湧いてきます。



やはり、実績のある人や、人生経験の豊富な人の本はいいね!


というわけで、もう一冊ブランディングの本の到着を待ちながら今日はアレンジ作業です。