フロアものを作ろうと思い立って、しばらく経ちました。


ミックスや音色の研究用にと購入した daft punk ですが、分析すべき点はあまりないように思いました。エフェクトの精密さやそれぞれの音色やそのバランス、仕掛けもミックスもアレンジも細部まで言うと、大手のイチオシポップスのCDを上回るところはないし、新しい概念もない。


Discovery

Discovery


でもね、私はこのCDを聴いてすごく悔しくなった。現存のアーティストの CD を聴いてこんなに悔しくなったのは初めてじゃないだろうか。


なんといってもこの人たち、楽しそうなんです。


で、この感じはどこかで抱いたことがあるなぁと思っていろいろ考えてた。そしたらあったあった、ABBA の「ダンシングクイーン」。そういえば、日本にもこんな雰囲気の楽曲があるある。60 年代、70 年代の楽曲の中には特にそういう空気をまとった音楽がある。銀河鉄道 999 のテーマ曲なんかもそうだなぁって。


この時代はテレビが普及し始め、録音技術も日進月歩で、つい最近までのIT業界のような空気があった。作り手もその熱狂を受け、仕事に喜びを感じ、そんな中で作り出された楽曲をバンドが楽しさの中で演奏し、その空気にのせてボーカルがパフォーマンスする。本当に夢みたいな時代だったんだと思う。


それを今の時代にこの人たちはやってる。昔のことじゃなく、今、やってる。それは私にとってすごい悔しいことなんだと認識せざるを得なかった。


彼らには、きっとパフォーマンスをして、観客が喜び、それをまた素直に受け止めフィードバックさせるオープンな感受性がある。アレンジやミックスの技術の中で少しの発見をして、それを楽曲に生かしたときの悦びが伝わってくる。もちろん上を見ればきりがない。アレンジだってエンジニアだって、上手い人は世界中に幾らでもいる。だけど、今作ってる自分達が楽しいんだ、ということが、音源でわかる。


それでいいと思ったのね。CDを聴くと、で、これからどうなるの?次は何を作るの?って思うのね。これがファンになるってことなんだって思うのね。日本の大手のポップスはすごくよくできてる。「なるほど」と思う。でも私は私の作った楽曲を聴いてくれた人に、どう思われたいかなぁって考えたとき「なるほど」とは思われたくないなぁって思うのね。すごく、思う。


daft punk のように、そこを起点にしなければ生まれない熱狂のようなものがある。その時にしか生まれないテンションがある。それはね、CD にして残すべきだって、もう考える前にそう感じてしまう。


というわけで、これは、今回私がテーマにすべき点だなぁと思いました。
それを念頭に昨日はメロとコードを作ったよ。フロアものではマイナーコードラブな私ですが、かなり明るいコードを多用した。


すごく楽しかった。


(もちろん、ミックス、アレンジの目標もあります。並行してやるよ!忘れてないよ!)


「ViVid deAth」

http://vividdeath.tumblr.com/



生き生きとした死を 浮かれない狂喜を 限りなく静かな興奮を